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ブラジルの地域格差を知る

今度ワールドカップの日本戦がある「レシフェ(Recife)」という街のあるペルナンブコ州で5/14-15と2日間のストライキがありました。これは警察と消防の職員25万人による大規模なもの。ストライキ発生後、州の治安は著しく悪化し、州都レシフェ市内を含む各地でバス強盗、商店街を襲撃し商品を略奪する、といった凶悪犯罪が多発!州政府はしかたなく連邦政府に要請して、国家治安部隊及び陸軍が出動ししばらく陸軍等が現地に留まって対応するということです。

こういった情報を読むと、現在暮らしているブラジル南部の都市とはまるで別の国のよう。ブラジルという国の広さと地域格差を感じます。
出典: http://www.estadosecapitaisdobrasil.com/mapas-do-brasil.php
同じ国の中で所得格差が大きいと社会が不安定になります。その所得格差がとてつもなく大きいのがブラジルという国です。

ネット情報なのでその信憑性は分かりませんが「ブラジルでは200万人(人口の1%)の富裕層の世帯収入の合計 ≒ 8000万人(人口の50%)の貧困層の世帯収入の合計」という話もあります。富がほんの少しの人のところへ集中しているということを言っています。実際の数字はわかりませんが、生活をしているとそのように感じることは多々あります。

上の地図は経済の発展状況が書かれています。
オレンジ色■が工業化された都市部
濃い緑色 ■が近代的な農業をしているところ
この2色で構成される南部の都市は先進国の印象なのですが、
ピンク色 ■の東北部地域乾燥した不毛の土地で過疎化しています。
つまり収入減に乏しく、公共インフラもなく、子どもは十分な教育もうけられず、アフリカやアジアの貧困地域と同じ状況だということです。上に書いた暴動のあった州はまさにピンク色の部分にかかる地域です。

日本と同じくらいの人口が、日本の23倍の国土に住んでいるのがブラジル(世界で5番目、中国の次に大きい!)。この規模では全土にまんべんなく投資することは難しいことが想像できますし、そうすると「地域格差の解消」はこれからもずっとブラジルの問題となるのだろうとわかってきました。治安はなかなか良くならないのだろうということです。ため息がでました。

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